骨密度を高める食事の基本は、カルシウムの摂取がやはり何よりも必要となります。
このカルシウムの1日に必要となる摂取量は前項でも解説したとおり
●成人で最低600ミリグラム
の摂取が必要となります。
しかし、妊婦や、授乳期のお母さん、そして成長期の子供やスポーツアスリートは更に多くのカルシウムの摂取が必要となります。
特に授乳期のお母さんは、乳児に母乳を与えるので、自分の体内のカルシウム成分は大量に消費されます。
ですから、最低摂取量とプラスして乳児に与えるカルシウム量も合わせて摂取しなければいけません。
赤ちゃんは母乳を通じて成長するための栄養素を全て補給しています。
その為、授乳期のお母さんは、今まで以上に多くの栄養素を摂取し自分自身と赤ちゃん二人分の栄養素を摂取していかなくてはいけません。
もちろん、これは授乳期に限らず、妊婦さんとまだお腹の中にいる胎児も同様です。
尚、妊婦、授乳期のカルシウムの摂取量の目安は
●600ミリグラムプラス300ミリグラム
となり、実に計900ミリグラムの摂取が最低限必要となるカルシウム量です。
また、成長期の骨の形成が盛んな10だいの子供や、激しいスポーツを行うスポーツアスリートの場合も同様に
●900ミリグラムの摂取
を行う事が推奨されております。
1日に900ミリグラムのカルシウム摂取を行うことは容易ではありません。
これは、リンなどの過剰摂取の問題だけでなくカルシウムには吸収率の問題も関与してくる為です。
前項でお話ししました牛乳1杯(約200CC)のカルシウム量は210ミリグラム。
さすがにカルシウムの王様と呼ばれる食品である牛乳のカルシウム量は豊富です。
しかし、牛乳のカルシウム吸収率は
●最大で50%前後
と言われております。
単純に50%として計算すると、コップ1杯で体内に栄養素として摂取できるカルシウム量は105ミリグラムとなります。
この他、カルシウムが豊富である食品のひとつである
●干しいわし
なども100グラムに対し、カルシウム量は実に140ミリグラムと優秀ですが、その吸収率は
●30%程度
と言われております。
このようにカルシウムの
●体内吸収率の関与
も大きく影響することから、カルシウムはよほど積極的に摂取しなくては、最低摂取量に届かない栄養素でもあると言えるのです。